ロウ・ロアー
優れた芸術は、いつの世も人間の孤独の中で育まれてきた。ライアン・カラジヤによるソロ・ユニット:ロウ・ロアーは、そんな孤独の瞬間から氷のように冷たいポップ・アンセムを生み出す錬金術師だ。カリフォルニア出身、アイスランドのレイキャビクへの移住を経て、現在はポーランドのワルシャワに暮らす彼は、UKをレコーディング拠点にしながら世界中をツアーしている。自らの人生を誠実な歌によってドキュメントすることを習慣にしてきた彼の音楽は、いつも聴く者を感動で満たし、あるいはその胸を張り裂けさせる。
ロウ・ロアーの4thスタジオ・アルバム『ross.』は2019年11月8日にリリースされた。このアルバムは、彼の根幹を成す理想のサウンドに完璧に忠実な作品だ。開放的な空気感と柔らかなネオンのような電子ビートが大空を照らし出し、ミニマルなアレンジと繊細なアコースティック・サウンドが織り成す広大な空間をはっきりと浮かび上がらせる。ソングライターとしてのカラジヤは、自身の音楽が人の個人的な経験を最大限引き受けながらも、決して普遍性と対極にあるものではないということを理解している。このアルバムは、物理的距離と感情的距離の間に時として存在する不安定な関係についての作品だ。
『ross.』は、世界的ゲーム・クリエイター:小島秀夫監督による2019年最大の話題作『デス・ストランディング』の発売日である11月8日に合わせてリリースされた。このゲームのサウンドトラックには、ロウ・ロアーのアルバム全4作品??『ross.』『Once in a long, long while…』『0』『Low Roar』??から選ばれた楽曲が使われているのだ。小島監督がレイキャビクのレコードショップで偶然ロウ・ロアーの音楽を耳にしたことがきっかけとなり、2016年に公開された『デス・ストランディング』の第1弾トレイラーに「I’ll Keep Coming」と「Easy Way Out」の2曲をフィーチャーすることで両者のコラボ?ションはスタートした。
『ross.』は、長年のコラボレーターであり3度のグラミー受賞歴を誇る人気プロデューサー:アンドリュー・シェップス(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、アデルほか)、マイク・リンゼイ(タン、ランプ)、そしてライアン・カラジヤ自身による共同プロデュースで制作された。