ヴィタリック (フランス)
フランス出身のDJ・プロデューサー、パスカル・アルベのプロジェクト。エレクトロを軸とした独特のクロスオーバースタイルでダンスミュージックシーンに新風を吹き込み、その独自の展開と攻撃性を持った楽曲はパンクと表現されることもある。
96年にDima名義で”Bonne Nouvelle EP”をリリース、その後数枚の12インチを出すが、DJ HELL主宰のInternational Deejay Gigoloから01年にリリースした”Poney EP”を境に、ヴィタリックに改名。このEPのB面に収録されていた”La Rock 01”が同レーベル史上最大のヒットを記録し、世界中のクラブアンセムと化した。02年には2 Many DJ’sの『As Heard On Radio Soulwax Part2』に”La Rock 01”が収録され更に注目を集める。そして05年にはロック的イメージを決定づけるシングル”My Friend Dario”をリリース。このPVもロック調でバンドを模してエアーギターやエアードラムを弾いている。同年ついにデビューアルバム『OK Cowboy』もリリースし、ダンスミュージックファンからもロックファンからも支持される作品となった。リミキサーとしても非常に高い人気を誇る彼は、これまでにもDaft PunkやBjork、Basement Jaxx、Royksopp、Sexysushiなどのリミックスを担当。また自身のレーベルCitizen Recordsも主宰していて、07年にはMIXCD『The Sound of Citizen』を、09年9月には2ndアルバム『Flashmob』をリリース。
そして、ついに数年間の沈黙を破り、ヴィタリックが3枚目のアルバム『Rave Age』を12年に発表。この作品は過去十年に渡りエレクトロニックミュージックを自分なりのスタイルで再定義をし、物事はシンプルにしていこうと決意したダンスフロアー空想家からの野蛮でのんきなステートメントと言える。”Stamina” “No More Sleep” “Lucky Star”などダイレクトで非常にパワフルなトラックが収録されている。
「このアルバムの曲は本当にライヴでプレイしたいと思ってるんだ」とパスカルことヴィタリックは言う。「前のアルバム『Flashmob』の曲はリラックスしていて、ライヴセットに持ち込むのが正直難しかった。だから今回は現場のことを考えて制作に励んだんだ。流行りものに敏感な人たちやプレスのことは考えないで、何か面白くて現場でプレイできる自分なりのものを作ることに専念したよ。」
ここまで言う彼のライヴセットを体感しに是非新木場ageHaまで足を運んでいただきたい。