ANAMANAGUCHI

アナマナグチ

PROFILE

ニューヨークを拠点に活動する4人組バンド、ANAMANAGUCHIは、ファミコン実機のサウンドチップを駆使した“チップチューン”と、エモ/ポップパンク由来のダイナミズムを融合させた唯一無二のサウンドで知られる。2000年代後半からインディー・シーンで頭角を現し、ゲームカルチャーとポップミュージックの境界を横断。『Endless Fantasy』や『[USA]』を通じて、ノスタルジックな電子音を現代的なポップへと昇華してきた。最新作『Anyway』は、6年ぶりという長い空白のあと、わずか約6カ月で完成した作品だ。しかしその背景には、全米に散らばってしまったメンバーの距離という現実があった。長年NYを拠点としてきた彼らも、それぞれがダラス、LA、プロビデンスへと拠点を移し、従来のように顔を合わせて制作することが難しくなっていた。そんな中、転機となったのが“ある家”だった。2022年、エモの象徴として知られるAmerican Footballのあの家が取り壊される危機にあると知った彼らは、その行方を案じる。やがてその家は、バンドメンバーやレーベル、関係者によって保存され、アーティストのための滞在制作拠点として生まれ変わる。そして2024年5月、ANAMANAGUCHIはその最初の滞在バンドとして招かれた。イリノイ州アーバナのその家に4人で1カ月間同居し、毎朝起きてはリビングでジャムを重ね、夜は食事と会話を交わし楽曲は生まれていった。リモートでのデータ交換では決して生まれ得なかった、偶発的な衝動と感情。その体験は、作品全体に通底する生々しさや、これまで以上にロック色の強いサウンド、さらにはボーカル表現の導入へと結実している。アルバムはその後、ニューヨーク州のTarbox Road Studiosでも仕上げられたが、核にあるのは間違いなく「あの家」での時間だ。単なる記念碑ではなく、根を張る“庭”のような場所。『Anyway』は、そんな場所がバンドにもたらした再接続の記録であり、離れていてもなお鳴らし続けるための意思表明でもある。

LINKS

https://anamanaguchi.com/